2010 開幕ロースター診断(野手)
いよいよ明日に開幕を控え、新シーズンへの期待も高まる一方。
昨日投手編をお送りした開幕ロースター診断。
今日は野手ロースターについて「ずばり言うわよ!」
板橋 圭一
ロマネリーグでは、徐々に調子を上げ、前評判通りのバッティングを
披露。開幕1軍切符を手に入れた。捕手というポジション柄、初年度
から新人が結果を残すのは難しいかもしれないが、バッティング同様、
安定したリードを見せることが出来れば、彼の言うポジションの「指定
席」も決してビッグマウスではなくなるだろう。
真辺 中
ドラフト4位の高卒ルーキーながら、ロマネでは溌剌としたプレーを見
せ、ベテラン安田から1軍の座を強奪することに成功した。キャンプ当
初、バッティングよりも守備面で評価されることが多かった真辺だが、
ロマネではバッティング面での技術もアピール。首脳陣、特に佐治監督
を喜ばせた。板橋がいるため、すぐにポジションを獲得出来るとは限ら
ないが、板橋が不調に陥れば、チャンスは巡ってくるだろう。地道な努
力を期待したい。
下野 晃一
橋口選手とのトレードで宇部からやってきたスラッガーは新天地でも大
暴れ。21試合に出場しチーム2位の5本塁打と気を吐き、予定通り、開
幕ロースターに名を連ねた。勝負強さに加え、右左と打ち分け可能なバッ
ティングは、ここ数年不安定だった1塁のポジションを埋めてくれるだろう。
不安があるとすれば、年齢だが、ロマネをほぼフル出場したものの、疲れ
も見える気配もなく、元気一杯。杞憂に終わるだろう。
岡山 一誠
入団3年目の昨シーズン、ようやく1軍に定着した岡山は、今期キャンプ
からはつらつとした動きを披露。首脳陣の覚えもめでたく、ロマネは終盤
少しだけの出場に留まったが、それでも余裕で開幕ロースターを射止めた。
今期はライバル橋口が移籍したものの、下野というさらに強力な1塁手の
移籍で、ポジション争いは激化しそうだが、堅実な守備と、俊足巧打をシー
ズンを通して見せることが出来れば、自然とレギュラーポジションは彼の
ものになるだろう。奮起を期待したい。
永石 徹
毎年のように期待をかけられながら、なかなか結果を残せないでいた永石
だが、昨シーズンはなんとか1シーズン通して1軍に定着。首脳陣をほっと
させた。今期もロマネの出場こそ少ないが、昨年の実績を買われて、開幕
1軍の切符を手に入れたものの、手薄なポジションなだけに、一層の奮起が
求められるだろう。ポカの多い守備も不安といえば不安だ。
品川 智和
各ポジション、新人や移籍選手の加入、若手の成長で競争が激化している
が2塁は低調で、今期ロマネでプレーした選手はどれも決め手に欠け、結局
生え抜きのベテラン品川に白羽の矢が立つことになった。永石を超えるだけ
のプレーを見せられるかどうかは疑問符だが、その予想がいい意味で裏切
られることを期待して、開幕を待つことにしたい。
苅谷 詠人
苅谷に関しては開幕1軍は当たり前。彼の場合は、シーズンどれだけ活躍
出来るか、そこが皆の注目するポイントだろう。今期は積極的に野手の補強
が行われ、穴の少ない打線が出来上がっただけに、苅谷の負担も相当軽く
なることが予想される。その中で、どれだけ存在感のあるバッティングが出来
るか。今年も天才苅谷のバッティングに注目だ。
長浜 星宣
昨シーズンは150試合に出場し、ようやく一人前になった長浜だが、今期の
ロマネは絶不調。懸念された守備の不安定さも露呈したものの、こちらも2塁
の永石同様、ライバル不在に助けられ1軍をゲットした。「シーズンが始まれ
ば、調子を上げていきますよ」とうそぶく長浜だが、その言葉に偽りがなけれ
ば、伊勢球団にとっても待望の遊撃レギュラーが誕生することになる。不調を
吹き飛ばしてほしい。
市橋 啓太郎
昨シーズンは1軍での出番はなく、再起を期しての移籍となったが、ロマネで
はさしたる結果も残すことが出来ず、反って衰えを強調してしまった。他の選
手との実績比較で辛うじて1軍に残ることが出来たが、このままでは、シーズン
途中での降格は免れない。長浜と同じく、シーズンイン後の奮起が期待され
るところか。
柴田 拓海
すっかりレギュラーとしての風格も出てきた柴田。昨シーズンは本塁打こそ減っ
たものの、打率は過去最高を記録し、必要な戦力として、チームに貢献した。
ロマネでは、あまり出番が回ってこなかったが、すでに実績のある柴田はそれ
ほど見る必要がないということ。力を発揮するのは、シーズン中で十分だ。柴田
のバットに今年も期待したい。
沢田 正章
毎年活躍を期待されながら、どうしても結果が出ない。昨シーズンも1軍での出
場こそあったものの、素晴らしいとは到底言い難い成績に終始した。ライバル
柴田がすっかりレギュラーとして定着しただけに、そろそろ沢田も1軍で安定し
た成績を残したいところだ。
大畑 主税
昨年は自身初となる40本塁打を記録し、すっかり伊勢のクリーンアップを任さ
れる存在に成長した。今年は「実験とは言わないけど、自分にあった調整法を
見つけたい」と、初めてキャンプからロマネまでスロー調整で過ごした。そのせ
いか、ロマネでも芳しい結果は残していないが、ロマネ終盤には鋭い当たりを
飛ばし、開幕に向けて順調な仕上がりと言えるだろう。今年も苅谷と共に、本塁
打の競演を見せてほしい。
安沢 史彦
安沢が「帰ってきた」。2004年度のドラフトでは湘南(現札幌)にくじ引きで敗れ、
それ以来、「伊勢の恋人」としてファンから移籍を待望されていた安沢が今期か
ら、伊勢のユニフォームに袖を通した。並々ならぬ期待を背負って登場したロマ
ネでは、打率こそあまり目立たなかったものの、8本塁打、17打点とまずまずの
成績を残し、今シーズンでのブレイクを予感させた。昨シーズン札幌2軍で三冠
王を獲得した安沢の、本拠地デビューを心待ちにしたい。
赤羽 良之
入団以来、さしたる成績も残していない男が、今年は一念発起、キャンプから積
極的なアピールを続け、ロマネでも4本塁打、11打点と結果を残し、堂々の開幕
1軍を手に入れた。佐治監督は「DHで起用すれば面白いかも」と、赤羽について
コメント。シーズンではがけっぷちな男の底力を存分に見せ付けてほしい。
上総 覚
毎年毎年、キャンプからロマネ序盤にかけては好調なのだが、その後は尻すぼみ
で、ついたあだ名が「ミスタースプリング」。今年はキャンプではいつものようなはつ
らつさを存分にアピールしていたが、ロマネでは風邪の影響か試合出場もままな
らず、結果すら残せなかった。しかし、第1次監督時代から、彼の才能を高く評価
していた佐治監督の鶴の一声で、開幕ロースターが決まった。今年の外野陣はい
つになくハイレベルで、その一角に入っていくのは容易ではないが、腐ることなく努
力を怠らずプレーすれば、出番が巡ってくるかもしれない。
中桐 康志
今年で入団から3年連続での開幕ロースター入り。早くから才能を見込まれた男だ
が、なかなかプロの壁は厚く、期待に答えられずにいる。しかしながら、守備と走塁
はすでに1軍で通用するレベルに達している。後は打撃をしっかり磨けば、激戦の外
野ポジションも転がり込んでくるはず。やるっきゃない。
総評
目立った補強のなかった投手陣とは違い、札幌から安沢、宇部から下野、横浜から
市橋、さらにドラフトではアマNo.1捕手の板橋、と、積極的に補強、重量打線が完
成しつつある。ロマネでも32本と、リーグ最多本塁打を記録、一度打線がかみ合え
ば、その破壊力はすべての球団が震え上がることは間違いないだろう。移籍組の彼
らと、苅谷、大畑、柴田の既存戦力が融合した、ニュー伊勢打線が今から楽しみで
仕方がない。
いよいよ明日から、162試合に及ぶ長い長いシーズンがスタートする。緒戦の相手
は、松山オレンジスターズ。毎年苦汁を舐めさせられる相手に、どれだけの結果を残
すことが出来るのか、楽しみだ。